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帽子の話#2 [ファッション]

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QUALITA SUPERIORE (クオリティ スーペリオーレ)
ボルサリーノシリーズの見分けは、ハットの裏に記載されていたりします。
QUALITA SUPERIORE (クオリティ スーペリオーレ)略してQSは、
上質な兎を厳選し、柔らかくしなやかな毛のみを使用したシリーズ。
という説明ですがボルサリーノの売れ筋グレードであり、さらに高級な
シリーズも存在します。
私のソフトはアレッサンドリアという3-5万ほどのシリーズで、
ボーラーは、このQSシリーズ、若干アレッサンドリアの上という事に
なります。

さて、今回の本題です。
【ボルサリーノにおける品質とは】
イタリアのボルサリーノ社は1857年にジュゼッペ・ボルサリーノにより創業
いわゆるソフト帽の原型を作った企業です。
企業としての特徴は 効率のためにいかなる品質を犠牲にすることもできない
という完全主義で貫かれたモノ造りを行う稀有な会社です。
http://www.borsalino-japan.com/our-brand
このページの動画がよくそれを表していて、20世紀初頭の機械、道具、
製法を現在でも頑ななまでに守っている。
動画は、現在と過去の対比ですが、ほとんど同じ工程、同じ機械、道具
を使い作っているのがよくわかる動画です。

こんな企業に対しても、昨今、ビンテージ主義で昔のモノは良いとか
いって中古を高値で売ろうとする業者がいたりします。
100年以上前の機械、道具で同じ製法で作り続けるポリシーを無視
しているわけですが、買う側も買う側で、現行品より安い中古を買って、
これは現行品より良いものなんだという心の言い訳が欲しい底が見えます。

ただボルサリーノが例外的だという話しもあります。
こんな企業はおそらく希少どころか、そもそも帽子を作る素材である
フェルトからなにからなにまで一貫した自社生産を行い、しかもそれ
が昔と同じなんてのはボルサリーノ以外はありえないわけです。
所爲ビンテージ帽子は他のメーカーでは存在するわけで、例えば
ジョニーデップがやたら古い帽子をかぶっています。
あれは、ステットソンというカウボーイハットで有名なメーカーで、
現在でももちろん存続していますが、汎用ラインの他に、昔は
ロイヤルステットソンという特別に良い素材、製法を使って作った
帽子がありました。
現在はステットソンは、ボルサリーノがいうところの効率の
ために品質を犠牲にして失ったという事でしょう。
ジョニーデップの写真を見るに、おそらくツバ(プリム)の長いフェドラ
やカウボーイハットが好みで、ロイヤルステットソンが好みなのでしょうね。
というか彼は異常なほどの帽子コレクターと言われていて、それこそ新旧、
なんでも好きなら買うというスタイルに思えますが、基本はあくまで
ロッカースタイルか、カウボーイスタイルのミックスファッションを元にし
たアイテムとしての帽子といった感じでしょうか。

そこまでこだわっているボルサリーノという企業、一世を風靡した帽子も
現在では効率を求めないその姿勢から、企業運営に行き詰まっているという
話しが聞こえてきます。
それを打破するために、18.57という安く品質の良いビギナー向けの商品展開
や、日本現地法人の中央帽子という会社にライセンス生産をさせたラインが存在
します。
ただ、ネットなどの不正確な知識で語っている方も多いので注意が必要ですが、
真実は、フェルト/パナマの紳士帽に日本製や他国の委託品は存在しません。
いわゆるボルサリーノといえばフェルトのソフト帽のイメージ通り、
ボルサリーノを冠したフェルト帽は全てイタリア本国物です。
ライセンスモノはあくまでニット帽や、布などのハンチングなどの帽子です。
あとは、歌詞になったり映画になったりと、あまりにも有名なボルサリーノ
という企業名から、ソフト帽の形そのものをボルサリーノと総称している人も
いるし、ボルサリーノ型とか、ボルサリーノ風とか名付けて売ってたりもする。

ボルサリーノ社のソフト帽を購入する場合はあまり問題もないですし、
それを購入したいって人はそもそも、最低でも数万円から数十万を
帽子ひとつに支払う層ですから、偽物なんか手にする心配はないし、
きにする必要もないかと思いますが、ボルサリーノは正規販売店とか
代理店で購入したほうが得な気がします。

何故かというと、馬毛の帽子ブラシも毎日必要になったり、
保存箱は必須だったり(5000円程する)しますし、ちょっとでも
店の保存や送付が悪く、型の崩れた帽子を手に入れたら大変な出費に
なります。
正規店やきちんとした店で、ちゃんとフィッティングを行い、
相談をしながら型を自分の顔にあわせて整えてくれたりします。
ほら?少しプリム(ツバ)を斜めにしたいとか、ボーラーのサイドプリム
を鋭角にあげたいとか、いろいろあるじゃないですか?
それには自宅でもヤカンの蒸気なんかで出来ない事もないですが、
素人がやって失敗するより、器具の揃った店でちゃんとやった方が
いいですよね。

正規店でも、最近はそれらが出来ない、やらない店もあるかと思います
20代の頃、はじめてソフトを購入した20年以上前、ボルサリーノは
買えませんでしたが、その帽子屋さんは1時間もかけて僕の頭にあわせて
帽子調整をしてくれました。







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ジロ

こんにちは。
私も40の峠をとっくに超え、自分の身に着けるものに拘りを持つようになってきたと思います。

若い頃は、そんなに拘りが無かったのですが、年齢を重ねるにつけ、残りの人生をどう生き抜くかを真剣に考え始めるようになりました。
 自分の大事にしているもの、私の場合は、ギターとビンテージロレックス、そして、愛用のハーバートジョンソン製の帽子、そしてバイクに乗る時のG-1ジャケットにレッドウイングのブーツが定番のスタイルです。かなり熱くなる初夏まで、このスタイル。

ギターは愛用のレスポールで、週末のセッション(もちろん、親父連中が中心のものですが)で、夜7時から深夜まで弾き尽くす親父です。

ふとしたことから、こちらにお邪魔しましたが、何か共通する臭い?を感じました。
それと、バイクなのですが、国産の400ccで自慢にもなりませんが、日曜日に近郊の峠までツーリングを楽しんでいます。

あと、いくつまでこういう生活ができるのか不安もあります。
でも、自分の愛用する物に拘り、できるだけ維持して、分相応に長く楽しめていければいいなと思うこの頃です。
by ジロ (2016-01-21 11:53) 

森のぷーさん

コメント反映大変遅くなり申し訳ございません。
実は僕も国産の250、XR-BAJAが愛してやまないメインバイクです。
バンドも同様、オヤジばかりのバンドでして、ほんと似たライフス
タイルですね。
いくつまで?と思うのですが、私の知り合いに
60を随分こえても僕らより荒れ道を疾走したり、アウトドアを
楽しむ知り合いがおります。
そういう本物の大人になりたいなって、いつも思ってます!
いずれどこかでお会いできたらいいですね!
by 森のぷーさん (2016-04-22 02:00) 

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